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1 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:14

ボシュボスの方でも現在執筆していますが、
深刻な閲覧者不足に喘いでいる為こちらの方でもステマさせて頂きますw
まあ主に小説を書くスレとしてご活用下さい。

2 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:18

日常の僅かな機微から得られる情報には、当然ながら限りが存在する。
例えば人は空気を見たとき、その原子構成を明確に識ることが出来るだろうか。
我々人類が目の当たりにしている光景など、所詮はその程度の曖昧なものなのかもしれない。或いは風景そのものが、“偽物”なのかもしれない。
なんて厨二臭いセリフを呟いたところで、現状を打破できる筈がないのは解ってるが、ふっと思い出したんだ。あの”情報屋”もそんなことを言ってたなー、ってな。
ただまあ、このSiS★ter Fantasia-onlineってオンラインゲームに限らず、人知を超えた奇っ怪な現象ってのは、何処にいっても当り前のように起こる。
なんてったって、この間ニュースやらゴシップ誌やらで大々的に取り上げられてた、「包丁を持った水色の髪の少女が、立て続けに入院患者を刺殺!?」なんて馬鹿らしい噂が、現に掃いて捨てるほど飛び交ってるんだからな。そりゃ聞かされてる側もうんざりって話だ。
君たちも一歩外に出てみれば、こんな常軌を逸脱した光景に出くわすことがあるかもしれない。世界は案外、人間を弄んで楽しんでいる節がある。
そういう場合は割り切るんだ―――世界が俺らに褒美をもてなすってるってな。

ギルド[世界のOWARI]団長、デウスエクス・真紀奈の手記より

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3 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:20

「ohayo. ohayo. 朝が来たyo.」
今日も愉快な一日の始まりだと言わんばかりに、滑稽な音楽と共に朝を告げたのは、道化師が奏でるラッパとエレクトロピアノのジャムセッションだった。

「ふぁーぁ、もう朝か…」
気怠げな様子で目をこすりながら、彼はゆっくりと起床した。
―――にしても、相変わらず悪趣味なbotだなぁ。いっそアンインストールしちゃおうか。
このオンラインゲーム上では夜が明けると、全自動で朝が来たことを伝える人工知能、通称botが常に大陸上を監視しているのだ。botは目覚まし時計の役割を担う他、広報、連絡、報告、宣伝など様々な用途で用いられる。

―――いつもは起きるのさえ億劫だけど、今日は特別な日なんだよな…。何故なら…
少年は手の中に収められた一枚の紙切れを見て、改めて自分が確かに至福を手に入れたことを実感した。

―――待ちに待ったオンラインゲームデビューだぜヒャッホォォォ!

心に遠足前の晩のような高揚感を湛えた少年は、必要最小限に留められた手荷物を纏めると、大陸「ジアー・タイタニス」行きの切符を手放すことなく、揚々と出発の準備を整えた。

4 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:21

‐‐‐ギルドチャット‐‐‐
ninth「あ、どうも。新人のninthと申すものです。以後よろ〜」
雑魚だけど?「ちわ〜。以後よろしくね〜」
ちょこれゐと「あれ〜、ninthサンじゃないですか〜。やっとオンラインゲームデビューしたんですねーわぁい。」
ninth「いやーどもども。ようやくL.E.D.第3地区のネット整備状況が整いましてね。」
ちょこれゐと「それより聞いて下さいよ〜、YRって奴がまた人の経験値をたかりに寄生してきたんですよ〜。もうこれで何度目だよっ! って話なんですけどね〜」
ninth「いやまぁ、たかがオンラインゲームですし、経験値を頂戴するぐらいは別に良いんじゃないですかね。」
ゅい☆彡「キャピッ!そういう輩ってホントに迷惑ですよねッ!でもでもぉ、ninthさんになら寄生されても良いかも〜>< 別にステマじゃないよ?(チラッ」
ちょこれゐと「ゅいさん、早速勧誘ですか〜。相変わらず抜け目ないですね」
ninth「ああいや、既に先約がありまして。そちらのギルドに入ろうと思っています。」
ninth「あ、因みにここでの話はちょこさんから聞いてるので、ある程度の予備知識はありますよ。」
ちょこれゐと「そういえば言い忘れてました」
ちょこれゐと「SiS★ter Fantasia-onlineにようこそ〜」

*   *   *


5 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:22

「よぉーっす、ninthちゃん」

背後から不意にそんな声が聞こえてきたのは、
ninthが不安に打ち拉がれて崩れかけていた瞬間の出来事だった。
時はおよそ一時間前に遡る。


ここはフースイの港を出てすぐ、右の角を2回程曲がると視認出来る広場の真っ只中だ。
人が集まる港付近、主にギルドメンバーの会議場としても使われるここは、
大御所たちが集まる場所で有名でもあった。

「あのね〜、御宅ら、いくら会員限定サービスが受けたいからって、順番は守らなきゃ駄目でしょ〜?」
「えー、だって〜、あの超人気アニメ「じゅうおん!」の特撮映画が先着で見れちゃうんすよー!?そりゃ、誰だって順番抜きで見たくもなるっすよー」
「takky…自重しろ。」

痩身の男が係員に向けてやや興奮気味に語るも、
後ろの職人を彷彿とさせる出で立ちの男が静止に入っている。
どうやら広場は映画「じゅうおん!」のチケット配布サービスで、
混み合いもピークに達しているようだった。

「えーっと…まずはどこに行けば良いんだ…?」
このオンラインゲームが規模、システム共に自分の想像の遥か上を行くものだったことを知り、
当惑を隠しきれないninthを余所に、広場はいつもの喧騒をより一層荒げているようだった。

ドッ

「す…すみませ―――」

ふと誰かにぶつかったことを認識し、反射的に詫びの言葉を入れようとするも、
その声は虚しく雑踏にかき消されてしまう。

6 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:24

「気を付けろこの餓鬼ィ!!」

「えっ…その…すみま…」

再びninthの声は何らかの要因によって遮られたが、
今度は自らの意思によって詫びを中止した。
というのも、自身に向けて宛てられた声ではないことを把握したからだ。

「私に向けて餓鬼とは…ふふ…良い度胸ね。」

透き通るような、それでいてどこか憂いを帯びた少女の声が、
先刻の罵声に対して静かに返答する。

如何にも不良といった風体の男性陣に、あからさまな挑発の言葉を浴びせたのは、
艷やかな黒髪を持った美少女だった。

―――この娘、どこかで見覚えが…
―――って、そんなことより助けなきゃ!

ステータスゲージを見る限り、彼女はまだレベル1
―――即ち、ninthと同じくこのゲームを始めたばかりの新参だった。
―――でも、レベル1の俺はどんな手段を使って彼女を助ければ…

助けを呼ぼうとも試みたが、広場を一瞥したところ、
どうやら彼女達が立っている位置は大衆からは死角になっているようで、
誰一人として手を差し伸べる者は現れない。

「やぁ。君がninth君だね?」

当惑の沙汰に陥って辺りが見えなくなっていたninthの元に、
突如として現れたのは中性的な顔立ちの少年だった。

時は更に2時間前に遡る―――。

7 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:26

「いやはや、まさかNAMELESSの創立者様が
このSiS★ter Fantasia-onlineにお出ましするとはねぇ。驚いた。」

SiS★ter Fantasia-onlineには俗に言うギルド
―――言うなれば、冒険者同士が手を組んで、
一つの共同関係を結んだことにより成立する、
小規模の団体がごく当り前のように散在する。これだけ聞けば、
一般的なオンラインゲームと何ら遜色ないように感じられるが、
このゲームのとある“特殊性”が、
ギルドの蒐集人数を常識外れなまでに極大させていた。

やがて超大な人数によって束ねられたギルドは、
更に他のギルドを吸収合併し、“勢力”と呼ばれるまでに力を増大させていった。
そんな中でギルド内で着実に地位を上げて
いった指導者3人―――正確には2人が、手中から不穏な動きを察知し、
決別を選んだことにより、勢力は3つに分断されてしまった。
管理者側はそんな強大な組織の分断から、キナ臭い雰囲気を感じ取り、
調査に乗り出したものの、依然として原因は掴めていないという。
噂では、その“特殊性”に関わる何らかのゴタゴタがあったといわれているが、
勢力中の内通者が真実を流通させる気配もなく、現在に至る。
これら3つの勢力は俗に”3國勢力”と呼ばれ、巧妙に拮抗関係が保たれていたものの、
近年になって急激に人数を増やし台頭したギルド、
「NAMELESS」によってその関係は崩れつつある。

8 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/01 23:27

「あのギルドにさぁ〜、何とか取り入ることは出来ないもんかね〜」

「三勢力に敵対視されてる身としちゃ、共倒れしてくれるのが一番有難いんだけど」

「ま、いいや。面白そうな新人も入ってきたことだしね〜。」

音声通信サービス Skyse(スカイズ)

そう掲げられたモニターの前で朗々と話すのは、ボロボロの布で出来た民族衣装を
想起させるフードを纏った少年だった。
少年、というと若干語弊があるかもしれない。
何故ならその少年は中性的かつ端正な顔立ちで、少女とも受け取れる容貌をしているからだ。
声も見た目相応な特徴を持っており、
相対した人間が彼(彼女?)の性別を判断するのは極めて困難なことだろう。

「取り敢えずは新人の方から様子を見に行ってみようかな。ふふ…情報屋としての血が騒ぐ。」
「ま、とりあえず今日は様子見がてら、街の様子でも見回ろうかな。んじゃ。」

自らを情報屋と称する少年(少女)は、音声サービスの画面を閉じると、
悪巧みしているような笑みを顔面に貼り付け、そっと呟く。

「ククッ…今から迎えに行くよ…ninth君。」

9 : 時の旅人◆ZSRgh/SsNX.URL: 2012/11/02 23:27

俺も書いていいか?
SSだけど

10 : ななしぃ◆825SCQRn8C6: 2012/11/03 16:40

>>9
良いっすよ

11 : 名無し: 2013/03/21 19:40

>>9 とか言っておきながら結局書かねえのかよwww

12 : リポ: 2013/07/23 12:13

≫11イソガシイダケカモシレナイカラソンナコトイワナクテモ・・・・・・・・・・・・
(一応、小説のかわりに宇宙人ふう)

13 : 時の旅人@ああ: 2013/07/24 11:50

忘れていたでござる

14 : リポ: 2013/07/24 19:38

じゃあがんばって。

15 : 兎衣◆825SCQRn8C6: 2013/08/30 14:33

やっべー黒歴史じゃんこれ

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